初日はコピーを一枚取るだけで汗をかいた。前の会社なら、機械の横に紙が入っていなければ、隣の棚を開ければよかった。ここでは棚を開けていいかもわからない。

金曜の午後、前の同僚に「そっちはどう?」とメッセージを書いた。「戻りたい」と続けて、消した。用紙が詰まった機械の前に、入社が一か月早い人が立っていた。





転職直後に前の職場が恋しくなった金曜日

「これ、開けていいところ知ってます?」と、その人に聞かれた。

「私も、開けていいか聞こうと思ってました」

総務の人に聞くと、機械の横に説明の紙が貼ってあった。二人とも、真正面しか見ていなかった。席に戻る前に、その人が「来週も同じことで困りそうだから、写真撮っておこうかな」と言った。

帰りの電車で、前の同僚に「やっとコピー機の横を見るようになった」と送った。「こっちは新しい機械になって、私もわからん」と返ってきた。月曜、私はいつもより一本遅い電車でも間に合うことを、初めて時刻表で確かめた。