二回目の料理教室には、七分前に着いた。早く着いたのがわかると少し恥ずかしくて、教室の前を通り過ぎて自販機のところまで行った。
戻ってみると、真理さんが入口にいた。
「私もさっき一回通り過ぎた」
「なんでわかったんですか」
「窓に映ってたから」
教室に入ると、前回と違う組になった。真理さんは向こうの調理台へ行き、私は別の人と魚の骨を取った。途中で一度目が合って、向こうがピンセットを持ち上げた。たぶん、そっちにも骨が多いという意味だった。
料理教室で気が合った人とLINEを交換したあと
帰りに、駅前の喫茶店の前を通った。窓の向こうで、厚いトーストを二人で分けている人がいた。
「あれ、一人だと頼む勇気がないんだよね」と真理さんが言った。
「私はたぶん頼みます。食べきれるかは別ですけど」
改札に着くと、真理さんはスマホを出した。「また同じ回に来るか聞きたいし、LINEいい?」
交換したその夜、真理さんから「魚、家でやるなら切り身買う」と来た。私も「絶対そうする」と返した。
次の土曜の昼、例の喫茶店の写真が流れてきた。厚切りトーストの端に、バターがまだ四角いまま残っていた。
写真を閉じて、LINEを開いた。
「この前のトースト、次の土曜に食べに行かない?」
送ってから、そういえば次の土曜は料理教室がない、と思った。真理さんから「行く。午後で」と返ってきた。


