午後二時に待ち合わせた。教室と同じ時間なのに、エプロンを持っていないだけで少し落ち着かなかった。

真理さんは先に来ていて、メニューを私のほうに押した。

「トーストは決めてる。飲み物が決まらない」

「来てから何分くらい?」

「もう五分くらい」

私も迷って、結局二人ともコーヒーにした。トーストは一枚頼んだ。お店の人は聞き慣れているみたいに、「二つに切ってきますね」と言った。





40代で気の合う友達と、休日にお茶をする

話している途中で、真理さんが何も言わなくなった。つまらなかったかなと思って顔を上げたら、バターが溶けていくのを見ていた。

「こういうの、待てなくて先に食べちゃうんだよね」

「もう食べてもいいんじゃない?」

「あとちょっと」

そう言ってから、先に食べた。

そのあと、仕事の話を少しした。お互いの会社の名前は知らないままで、月曜の朝に机に座ると、まず何から手をつけるかを話した。私が「何からやるか決める前に、メールだけで午前中が終わる」と言ったら、真理さんはコーヒーを吹きそうになった。

店を出る頃、次の料理教室の話は一度もしていなかった。

駅の横に本屋があった。真理さんは時計を見て、「まだ帰らなくていいんだけど、本屋ちょっと見ない?」と言った。

「うん。私も、まだ帰らなくていい」

改札には寄らずに、二人で本屋のほうへ曲がった。